2011年3月9日水曜日

演劇の定義(茶遊びについて考えていること)

演劇とは何か。
演劇の制作に携わる人はみな考えることだと思います。

私の定義では、

演劇とは、そこに居合わせた人が、目の前にないものやもうなくなってしまったもの、について共に思い浮かべている状態が成立する「場」

のことです。

 ダンスとちょっと違うな、と思うところはダンスは身体を素材とした表現が成り立てばダンスだと思うんだけど、演劇の場合は「目の前にないものや、もうなくなってしまったもの」、つまり実体としては目には見えないていないもの、が複数の人間に共通に想像された瞬間に「生まれる」作品だということです。

 だから、観ている人の役割がすごく大きい。だって「観ている人が共に想像したこと」が作品になるんですから、観ている人が想像しなかったら作品は生まれないんですね。じゃあ、どうしたら、よりよく「演劇の生まれる場」を作ることができるのか? が、演劇の制作者として考えていることです。

 4(よん)は「作品の価値を産むのは観客である。観客がそのことを楽しく意識できるような演劇作品を作りたい」というコンセプトで始めたのですが、「観客が作品の価値を産む」というのはそういう事だと考えています。なにかもう作品としての演劇舞台があるのではなくて、観たときにその都度作品が生み出されていく。そのための試みを色々としているところです。

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